広島市の海洋散骨ガイド|霊園トラブルを避け費用を抑える新供養
2025年10月28日
「葬儀は無事に終わったけれど、この後お骨はどうしよう…」
「お墓を建てると費用もかかるし、将来の管理や後継者のことも心配…」
広島市やその近郊で大切な方を見送られた後、このようなお悩みや不安を抱えていらっしゃる方は少なくありません。特に、霊園でのトラブルの話を聞いたり、お墓や仏壇の維持管理に負担を感じたりすると、従来とは違う供養の形を模索したくなるのは自然なことです。
そんな中、新しい供養の選択肢として注目されているのが「海洋散骨」です。
海洋散骨は、故人のご遺骨をパウダー状にして海へ還す、自然葬の一つです。お墓を必要としないため、費用を抑えられるだけでなく、維持管理や後継者の心配もありません。「自然に還りたい」という故人の遺志を尊重できる点も、選ばれる理由となっています。
この記事では、広島市やその近郊で海洋散骨を検討しているあなたのために、以下の内容を分かりやすく解説します。
- 広島エリアでの海洋散骨の費用相場とプラン
- 広島市や近郊で依頼できるおすすめの業者
- お墓との比較でわかるメリット・デメリット
- 申し込みから散骨当日までの具体的な流れ
- 法律やマナーに関する注意点
この記事を読めば、海洋散骨に関する疑問や不安が解消され、故人とご遺族にとって最善の供養の形を見つけるための一歩を踏み出せるはずです。
広島の海洋散骨の費用相場とプランの種類
海洋散骨と一言でいっても、その方法や費用はさまざまです。まずは、広島エリアにおける海洋散骨の費用相場と、代表的な3つのプランについて見ていきましょう。ご自身の希望や予算に合ったプランを見つけるための参考にしてください。
費用相場は5万円から50万円
広島での海洋散骨にかかる費用は、プランによって大きく異なり、約5万円から50万円が相場です。
この費用には、一般的に船のチャーター料、ご遺骨をパウダー状にする「粉骨(ふんこつ)」の費用、献花、散骨証明書の発行などが含まれています。どのプランを選ぶかによって、ご遺族が船に乗船できるか、セレモニーの内容などが変わってきます。
合同散骨プラン
- 概要
複数のご家族が同じ船に乗り合わせて、合同で散骨を行うプランです。 - 費用相場
10万円~20万円程度 - メリット
船を貸し切る個別チャータープランに比べて、費用を抑えることができます。 - デメリット
散骨の日時が業者の指定する日になることが多く、他のご家族と一緒のため、完全にプライベートな空間にはなりません。
個別チャータープラン
- 概要
ご遺族だけで船を一隻貸し切って、プライベートな空間で散骨を行うプランです。 - 費用相場
20万円~50万円程度 - メリット
出航日時を自由に設定しやすく、周りを気にすることなく故人様とのお別れの時間をゆっくりと過ごせます。船上で独自のセレモニーを行うことも可能です。 - デメリット
他のプランに比べて費用が高くなる傾向があります。
代行委託プラン
- 概要
ご遺族に代わって、業者が責任をもって散骨を行うプランです。ご遺族は船に乗船しません。 - 費用相場
5万円~10万円程度 - メリット
費用を最も安く抑えられます。遠方にお住まいの方や、船酔いが心配な方、高齢で乗船が難しい方でも安心して依頼できます。 - デメリット
散骨の瞬間に立ち会うことはできません。散骨の様子は後日、写真や動画で報告されるのが一般的です。
広島市・近郊で依頼できる海洋散骨業者5選
ここでは、広島市やその近郊(瀬戸内海エリア)で海洋散骨を依頼できる、信頼と実績のある業者を5社ご紹介します。それぞれの特徴やプランを比較し、ご自身に合った業者を見つけてください。
小さなお葬式(全国対応)
- 特徴
全国で葬儀サービスを展開する「小さなお葬式」は、海洋散骨サービスも提供しています。明確で分かりやすい料金プランが特徴で、初めての方でも安心して相談できます。全国規模のネットワークを活かし、広島エリアでの散骨にも対応しています。 - プランと料金(目安)
- 代行委託散骨プラン:55,000円(税込)~
- 合同乗船散骨プラン:110,000円(税込)~
- 貸切乗船散骨プラン:275,000円(税込)~
- 公式サイト
https://www.osohshiki.jp/sankotsu/kaiyo/
海洋散骨のブルーオーシャンセレモニー
- 特徴
海洋散骨を専門に扱う業者で、全国の海域でサービスを提供しています。一組ごとに丁寧なセレモニーを行うことを大切にしているため、心に残るお別れができます。瀬戸内海・広島エリアでの実績も豊富です。 - プランと料金(目安)
- 代行散骨プラン:44,000円(税込)~
- 合同乗船プラン:132,000円(税込)~
- 貸切チャータープラン:242,000円(税込)~
- 公式サイト
https://www.ocean-ceremony.jp/
銀河ステージ
- 特徴
宇宙葬やバルーン葬など、ユニークな自然葬を手掛ける会社ですが、海洋散骨サービスも全国で展開しています。故人の生前の趣味や人柄に合わせた、オーダーメイドの散骨プランにも対応してくれます。 - プランと料金(目安)
- 代行海洋散骨:55,000円(税込)
- 合同海洋散骨:132,000円(税込)~
- ファミリー海洋散骨(貸切):275,000円(税込)~
- 公式サイト
https://www.ginga-net.com/sankotsu/ocean/
海の郵便屋さん(山口県・広島近郊)
- 特徴
山口県を拠点に、瀬戸内海での海洋散骨を手掛ける地域密着型の業者です。広島湾を含む近郊エリアでの散骨にも対応しており、地元の海を知り尽くしたスタッフが丁寧にサポートしてくれます。 - プランと料金(目安)
- 代行散骨:38,500円(税込)~
- 合同散骨:110,000円(税込)~
- 個人散骨(貸切):165,000円(税込)~
- 公式サイト
https://umi-no-yubinyasan.com/
信頼できる業者の選び方3つのポイント
どの業者に依頼すればよいか迷ったときは、以下の3つのポイントをチェックしましょう。
- 1. 実績と許認可の確認
長年の実績があるか、一般社団法人日本海洋散骨協会などに加盟しているかを確認しましょう。第三者機関に認められている業者は、法令やマナーを遵守している可能性が高いです。 - 2. 料金体系の明確さ
見積もりを依頼し、プランに何が含まれていて、追加料金が発生する可能性はないかを確認しましょう。「粉骨費用」「献花」「散骨証明書」などが全て含まれているかは重要なチェックポイントです。 - 3. 丁寧な対応と説明
問い合わせや相談をした際に、スタッフが親身になって対応してくれるか、疑問点に分かりやすく答えてくれるかを確認しましょう。大切なご遺骨を預けるのですから、心から信頼できると感じる業者を選ぶことが大切です。
お墓と比較した海洋散骨の利点と注意点
霊園トラブルや後継者問題を避けたいと考える方にとって、海洋散骨は魅力的な選択肢です。ここでは、従来のお墓と比較した場合のメリットと、事前に知っておくべき注意点を解説します。
メリット1 費用を大幅に抑えられる
海洋散骨の最大のメリットは、費用を大幅に抑えられる点です。
一般的にお墓を新しく建てる場合、墓石代と永代使用料で150万円~300万円ほどかかると言われています。一方、海洋散骨は最も手頃な代行プランなら5万円程度から実施可能です。
メリット2 維持管理や後継者が不要
お墓を持つと、年間管理費の支払いや定期的にお墓を掃除する手間が発生します。また、「誰がお墓を継いでくれるのか」という後継者問題は、多くの方にとって深刻な悩みです。
海洋散骨は、お墓を持たないため、こうした維持管理の手間や費用、後継者の心配が一切ありません。
デメリット1 一度散骨すると遺骨は戻らない
当然のことですが、一度海に散骨してしまうと、ご遺骨を取り戻すことは二度とできません。
もし「手元に少しだけ残しておきたい」「お墓にも少しだけ納骨したい」という気持ちがある場合は、「分骨(ぶんこつ)」という方法があります。ご遺骨の一部を小さな骨壺やアクセサリーに入れて手元に残し、残りを散骨する方も多くいらっしゃいます。
デメリット2 親族の理解が必要になる場合も
海洋散骨は比較的新しい供養の形であるため、ご親族の中には「お墓がないと供養ができない」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
後々のトラブルを避けるためにも、必ず事前に親族とよく話し合い、理解を得ておくことが非常に重要です。故人の遺志であったことを伝えたり、海洋散骨のメリットを丁寧に説明したりして、皆が納得できる形を選びましょう。
申込から散骨当日までの7ステップ
実際に海洋散骨を依頼する場合、どのような流れで進むのでしょうか。ここでは、申し込みから散骨当日までの一般的な流れを7つのステップでご紹介します。
ステップ1 業者へ問い合わせ・資料請求
まずは気になる業者をいくつかピックアップし、電話やウェブサイトから問い合わせてみましょう。詳しい資料を請求して、サービス内容や料金を比較検討することから始めます。
ステップ2 プラン選択と見積もり
資料を元に、希望するプラン(合同・個別・代行)を決め、正式な見積もりを依頼します。この際、不明な点や不安なことは遠慮なく質問しましょう。
ステップ3 契約と支払い
見積もり内容に納得できたら、契約手続きに進みます。契約書の内容をしっかりと確認し、署名・捺印します。その後、指定された方法で料金を支払います。
ステップ4 遺骨の引き渡しと粉骨
ご遺骨を業者に預けます。直接持ち込むか、郵送で送るのが一般的です。このとき、「埋葬許可証(または火葬許可証)」の提出を求められることが多いので、事前に準備しておきましょう。
預けられたご遺骨は、業者によって粉骨(ふんこつ)されます。これは、ご遺骨を2mm以下のパウダー状にする作業で、海洋散骨を行う上での必須のマナーです。
ステップ5 散骨日時の決定
個別チャータープランの場合は、業者と相談して希望の出航日時を決定します。合同プランや代行プランの場合は、業者が指定する日程で実施されます。
ステップ6 散骨セレモニー当日
いよいよ散骨当日です。乗船プランの場合は、指定されたマリーナや港に集合します。
船は散骨ポイントまで進み、そこで故人を偲びながら黙祷を捧げ、散骨を行います。その後、お花やお酒を海に捧げ、故人様と最後のお別れをします。
ステップ7 散骨証明書の発行
散骨後、しばらくすると業者から「散骨証明書」が郵送されます。これには、散骨を行った日時と場所(緯度・経度)が記載されており、故人が眠る場所の記録として、大切な記念になります。
海洋散骨の法律上の注意点と守るべきマナー
「海に遺骨を撒いても法律的に問題ないの?」と心配される方もいるかもしれません。ここでは、海洋散骨の法律的な側面と、実施する上で守るべきマナーについて解説します。
海洋散骨は法律で認められている
結論から言うと、現在の法律では海洋散骨を直接禁止する条文はありません。
「墓地、埋葬等に関する法律」は墓地以外への埋葬を禁じていますが、散骨は「葬送の一つとして節度をもって行われる限り問題ない」というのが法務省の見解です。したがって、ルールとマナーを守れば、刑法の遺骨遺棄罪に問われることもありません。
遺骨の粉骨(2mm以下)は必須
最も重要なマナーが、ご遺骨を必ず2mm以下のパウダー状にすることです。これは、ご遺骨の原型が分からないようにするためであり、第三者への心理的な配慮や環境保護の観点から必須とされています。個人で散骨を行う場合も、必ず専門業者に粉骨を依頼しましょう。
散骨エリアのルールを確認
どこでも自由に散骨して良いわけではありません。海水浴場や漁場、養殖場の近く、海上交通が頻繁な航路などは避ける必要があります。多くの自治体ではガイドラインを設けており、信頼できる業者はこれらのルールを熟知し、陸地から十分に離れた沖合で散骨を行います。
周囲への配慮と自然に還る副葬品
散骨は、故人を偲ぶ厳粛な儀式です。喪服を着る必要はありませんが、派手な服装は避け、平服で参加するのが一般的です。
また、献花は花束のままではなく花びらだけを撒き、副葬品は水溶性の紙に書いた手紙など、自然に還るものを選びましょう。環境に配慮する気持ちが大切です。
海洋散骨に関するよくある質問
最後に、海洋散骨に関して多くの方が抱く疑問にお答えします。
天候が悪化した場合はどうなりますか?
安全が最優先されるため、悪天候(強風、高波、濃霧など)の場合は出航が中止・延期されます。その際の対応は業者によって異なりますが、多くは予備日に振り替えるか、日程を再調整することになります。キャンセル料の有無なども含め、契約時に確認しておきましょう。
船には何人まで乗船できますか?
乗船人数は、プランや船の大きさによって異なります。個別チャータープランであれば、数名から10名以上乗れる大型の船まで選べる場合があります。合同プランの場合は、定員が決められています。希望する乗船人数を事前に業者に伝えて相談してください。
散骨後の供養はどうすればいいですか?
お墓のような具体的なお参りの対象はありませんが、供養の形は自由です。故人の命日や記念日に散骨した海域の近くを訪れたり、自宅に設けたメモリアルコーナーで写真に手を合わせたりする方が多いです。業者によっては、一周忌などに合わせて再び散骨ポイントを訪れる「メモリアルクルーズ」を提供している場合もあります。
宗旨・宗派は関係ありますか?
海洋散骨は、基本的に宗旨・宗派を問いません。特定宗教の儀式ではないため、無宗教の方や、さまざまな信仰を持つ方がそれぞれの形で故人を偲ぶことができます。もちろん、僧侶に同乗してもらい、読経をあげてもらうことも可能です。
遺骨の一部だけを散骨できますか?
はい、可能です。これを「分骨」と呼びます。ご遺骨の一部を海洋散骨し、残りを手元供養のためのミニ骨壺や遺骨ペンダントに入れたり、お墓に納骨したりすることができます。「全てを海に還すのは寂しい」と感じる方におすすめの方法です。
まとめ
この記事では、広島市やその近郊で海洋散骨を検討されている方へ向けて、費用や業者、具体的な流れ、注意点などを詳しく解説しました。
海洋散骨は、お墓の建立や維持管理にかかる費用や手間、後継者問題といった現代的な悩みを解決する、新しい供養の選択肢です。
- 費用を抑え、維持管理の負担から解放される
- プランは「合同」「個別チャーター」「代行」の3種類から選べる
- 広島市や近郊、山口県など瀬戸内海で対応してくれる業者がいる
- 一度散骨すると遺骨は戻らないため、親族との話し合いが大切
さまざまな供養の形がありますが、最も大切なのは故人を想い、偲ぶ気持ちです。海洋散骨が、あなたとご家族にとって心から納得できるお別れの形となるかもしれません。
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